私たちは女性の人権を軽視する準強姦事件不起訴に強く抗議し、 検察審査会に不服申し立てをした詩織さんを応援します!

私たち「性暴力を許さない女の会」は、ジャーナリスト・山口敬之氏からの準強姦被害を訴え、不起訴となったことを検察審査会に不服申し立てをした詩織さんを応援するとともに、今回の不起訴処分について強く抗議します。

 

詩織さん本人が会見で言っていたように、山口氏には準強姦罪容疑で逮捕状まで出ていたのに、直前に「警察のトップの方からストップがかか」って逮捕は取りやめになりました。

こうしたことは、弁護士も警察OBも大手新聞社社会部記者も「異例中の異例」「聞いたことがない」と言っています。

『週刊新潮』の取材によると、捜査打ち切りを指揮したのは『菅官房長官の片腕』として有名な警察官僚の中村格氏であると判明しています。官邸が、自分たちに近しいジャーナリストだからという理由で、山口氏の逮捕を握りつぶした可能性が非常に高いと思われます。

 

これは、森友、加計学園問題に連なる、法や行政の恣意的運用というだけではありません。女性の人権(強姦は、フランス刑法では「生命に対する侵害」の次に重い「人の身体的・精神的完全性に対する侵害」に位置付けられる)に関する重大な不正義という点では、よりいっそう深刻な問題だと考えます。政権と親密な関係にあるジャーナリストの「下半身スキャンダル」を、便宜を図って握りつぶしたのがけしからんという話ではありません。女性を卑劣な手口で騙し強姦した人間を、逮捕状まで出るようなあらゆる証拠固めにもかかわらず「嫌疑不十分」として無罪放免にした、驚くべき法の無視、女性の人権軽視ぶりに私たちは強く抗議の意を表明するものです。

 

警察に届ける性暴力被害は氷山の一角に過ぎない上に、諸外国に遅れをとる刑法のもとで、起訴にまで至る性暴力事件はごくごくわずかなのが実情です。

詩織さんの被害は、顔見知りからのものであり、アルコールや薬物使用の可能性が絡んでいます。残念ながら、多くの被害者がこのような被害に遭い、警察や周囲の人に取り合ってもらえず、「被害者にも責任がある」と責められることもあります。しかし、私たち支援や相談の現場にいる者にとって、他の多くの被害にも共通する部分がある典型的な被害だといえます。

このような多くの被害と共通する今回の被害が起訴されないこと自体、日本の法や司法制度が性暴力被害の実態に合っていないことの表れだと考えます。

 

過去に横山ノック元知事のセクハラ裁判の支援を経験した私たちには、このような政治や権力が色濃く絡む被害では、「陰謀説」や「権力争いの道具」として被害者が置き去りにされてしまうこと、そして、マスコミの過熱報道などにも危惧の念を抱きます。

声を上げた詩織さんの意思が尊重されること、二次被害や当事者が置き去りにされないことを切に望みます。

 

私たちは、詩織さんを応援するとともに、今後は検察審査会で正当な審議がなされること、また、「法律や捜査システムの改善につなげたい」という彼女の言葉にもある通り、今国会で審議が予定されている「刑法性犯罪」改正早期実現を要望したいと思います。

 

2017年6月1日

 

性暴力を許さない女の会

https://no-seiboryoku.jimdo.com/

asa198811@hotmail.co.jp

 

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